今回は日産の『X-TRAIL(エクストレイル)』について、おすすめグレードを調べてみた。
【ざっくり言うと...】
- 予算がある人なら全部盛りの「ハイブリッド・Xi・4WD」か。ハイブリッドは燃費だけでなく低速時のトルク感に優れている。
- コスパを考えるならベースグレードの「ガソリン・S・4WD」。
- ファミリーユースなら唯一3列シートが選べる「ガソリン・X」。
グレード展開
現行のエクストレイルは2010年6月発売、2017年12月にマイナーチェンジしている。そろそろモデル末期と考えられるが、裏を返せば完成度が高いところまで到達していると言えそうだ。
エクストレイルは特別仕様車も含めると多様なグレード展開が展開されているが、今回はなるべくわかりやすく整理するために基本的な「S」「X」に加えて、先進安全機能が拡充された「Xi」の3つに絞って整理したい。(つまり趣向性の高い「エクストリーマーX」と「モード・プレミア」を除く。)
詳しく見ていこう。まずはパワートレインとグレード展開のチェックだ。現行エクストレイルのパワートレインは「2.0L 直4エンジン(ガソリン車)」と、「2.0L 直4 +モーター(ハイブリッド車)」の2種類だ。外観はほとんど違いがない。
2.0L 直4 エンジン(ガソリン車)
グレード名 | 駆動方式 | 燃費(JC08) | 新車価格 |
---|---|---|---|
20S | FF/4WD | 2列 | 219万/240万 |
20X | FF/4WD FF/4WD | 2列 | 254万/275万 |
3列 | 261万/282万 | ||
20Xi | FF/4WD | 2列 | 280万/300万 |
- ガソリン車の『20X』のみ3列シート(7人乗員)も選べるようになっている。
- ガソリン車の燃費性能はJC08モードで約16km/L前後となっている。
2.0L 直4 +モーター(ハイブリッド車)
グレード名 | 駆動方式 | 燃費(JC08) | 新車価格 |
---|---|---|---|
20S | FF/4WD | 2列 | 259万/279万 |
20X | FF/4WD | 2列 | 289万/309万 |
20Xi | FF/4WD | 2列 | 307万/327万 |
- ハイブリッド車には3列シート設定無し。
- ハイブリッド車の燃費性能はJC08モードで約20km/L前後となっている。
- ガソリン車と同様に全車でFF/4WDが選べる。価格差は約20万。
「S」と「X」の違い
「20S」と「20X」では標準装備に違いがある。主なところはタイヤサイズアップなどだ。
「S」... 17インチフルホイールカバー
「X」... 18インチアルミホイール
その他、「X」ではパワーテールゲートや、オートエアコンなどが標準搭載、内装面では本革巻ステアリング&本革巻シフトノブとなり、ドアハンドル周りの素材も違いが出る印象だ。
シートは標準で「撥水性シート」となっており、どのグレードでも変わらない。
「Xi」とは
「Xi」シリーズは「X」をベースにして、日産の先進安全機能が拡充されたものだ。一応は特別仕様車に当たる。CMでお馴染みのプロパイロットなども搭載される。
「Xi」の主な装備は、「X」をベースに...
- プロパイロット、車線逸脱防止支援、後側方車両検知警報、電動パーキングブレーキ、オートブレーキホールド。
- アラウンドビューモニター、インテリジェントルームミラー。
- LEDヘッドライド、ハイビームアシスト、インテリジェントオートライト。
詳細は公式の主要諸元表を確認してほしいが、主要諸元表の文字が細かくて読みづらいのが残念だ。
PDF:エクストレイル主要諸元一覧
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/x-trail/specifications.html
「エクストリーマーX」「モード・プレミア」
尚、エクストレイルにはアウトドア志向の強い「エクストリーマーX」や高級路線の「モード・プレミア」と言った特別仕様車もある。
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/x-trail/sp.html
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/x-trail/autech.html
人気ランキング
人気ランキングを調べてみよう。日産の公式サイトでは下記のように紹介されている。
上位グレードの「Xi」および「X」がランキングの上位となっている。
一方、車情報サイトの「オートックワン」で確認すると下記の通り。
参考:日産 エクストレイル 歴代モデル・グレード一覧
最もベースグレード「20S」4WDが1位となっている。2位以下はデータがなかったが無難なところに思える。
リセールバリュー
「価格.com」では買取価格・下取り相場をざっくり確認することができる。エクストレイルのグレード別買取価格上位は下記の通り。
参考:エクストレイルのグレード別買取価格ランキング(価格.com)
モード・プレミアは本稿では触れていない高級志向のモデルである。買取価格が高いのは当然だ。
ここで注目すべきは、先進安全機能がついたものが買取上位ということか。これもオプション料金が上乗せされているので当然と言えば当然だが、先のことを考えると先進安全機能のニーズが高まることはあっても減ることはないだろう。
専門家のオススメ
モータージャーナリストの石井昌道さんは、雑誌でエクストレイルのグレードについて下記をオススメしている。
- ハイブリット車は燃費が優れているでなくだけでなく、ガソリン車では物足りない動力性能が上乗せされていて魅力的。(特に低回転領域)
- 「Xi」のプロパイロットは“自動運転技術”という言葉から連想するほどの完成度ではないが、高速ドライブでの疲労を軽減し安全性を高めてくれるので選択する意味はある。
参考:2018-2019年 国産&輸入SUVのすべて (モーターファン別冊)
個人的な見解
4WDがほしい
まずはFF(2WD)/4WDの考え方。この手のアウトドア志向の強いSUVに乗るなら、やはり4WDはほしい気がする。
防水性のシートを備えていることから、やはりこの車のメインターゲットはアウトドアユーザーだ。実際にスキー・スノボー、あるいはキャンプなどに出かける人は4WDを選択しておきたい。後にリセールバリューも効いてきそうだ。
ただし、近年は中型以上のSUVでも街乗りオンリーで乗る人もいる。そういった人はハイブリッドでFF(2WD)でも良いのではないか。ドライバーのニーズにあわせて選びたい。
ファミリーユースなら「ガソリンX」
3列シートが選べるのは「ガソリン・X」だけだ。ファミリーユースを想定しているなら「ガソリン・X」の一択となる。
ハイブリッドは燃費はもちろん、低速時の駆動が良さそうだ。反対にそこまでこだわりがない人ならガソリン車でも必要十分とも言える。コスパを考えるならベースグレードの「ガソリン・S・4WD」。予算がある人なら全部盛りの「ハイブリッド・Xi・4WD」か。