今回はSUBARUの2018年度(2019年3月期)「第3四半期決算」から重要な部分を抜粋して振り返ってみたい。
結論から言うと世界で販売減少、群馬製作所の操業停止に伴う影響などで通期業績見通しを下方修正している。
世界販売動向
第3四半期(3ヶ月)
10〜12月期(3ヶ月累計)の世界販売台数である。地域別に見ると日本国内で前年対比△3千台。その他ヨーロッパ、オーストラリア、ロシア、中国などで減少した。ただし、景気後退が懸念されていた中国はそれほど大きな落ち込みにならなかったのは救いである。
3ヶ月だけ見ると北米では大きく伸ばすことができた。新型車『アセント』や『クロストレック(日本名:スバルXV)』の販売が好調だったようだ。
4月〜12月(9ヶ月累計)
4月〜12月(9ヶ月累計)のまとめである。日本国内と北米での落ち込みが大きい。日本国内ではやはりリコール問題であろう。北米では上半期にフォレスターの在庫調整(新型車発売による買い控え)が影響したようだ。
その他、ヨーロッパ、オーストラリア、中国などの主要市場すべてで減少している点が残念だ。
業績について
営業利益増減要因(9ヶ月累計)
財務面を見てみると4月〜12月(9ヶ月累計)で前年対比1,526億円の減益となった。内訳としては「諸経費」の増加と、「売上構成」の減少が響いている。諸経費要因では「クレーム費」が最も大きい。これはリコール問題だろう。
業績サマリー・通期計画
最終的な通期業績見通しでは、本業の儲けを示す「営業利益」で△350億円、「連結販売台数」を△44.7千台、下方修正した。
下方修正の理由として、電動パワーステアリング装置の不良品発生に起因する「群馬製作所の操業停止」に伴う生産台数および販売台数の減少と、原材料市況の影響(原価の高騰)と説明した。
業績面では悪いことが重なり逆風が吹いているが、足元では新型フォレスターなどの評価は高い。しっかり立て直して良いクルマづくりを続けて欲しい。
https://www.subaru.co.jp/ir/library/results.html