今回はスズキの2018年度「第3四半期」決算から、自動車の販売動向などを振り返ってみたい。
結論から言うと日本国内では比較的堅調、一方インドなどのアジア市場で伸び悩みとなっている。
収益面の通期見通しは据え置きとなった。
第3四半期(実績)
四輪車 販売台数実績(サマリー)
まず四輪事業の総括である。4〜12月期(9カ月累計)では過去最高を記録しているが、10〜12月期(3カ月間)では前年割れだったようだ。
アジアの減少は主に中国での減少と説明している。ホンダやトヨタとは対照的な結果だった。
日本
日本では順調に販売台数を伸ばしている。10〜12月期は『スペーシア』『クロスビー』が貢献したようだ。意外にも『ジムニー』の記述がない。納車待ちの状態で業績に反映されるのは今後だろうか。
欧州
ヨーロッパでは横ばいからやや減少といった感じだ。車種としては『スイフト』『イグニス』が貢献したようだ。
インド
主力市場のインドである。10月〜12月期はやや伸び悩んだが、9ヶ月累計では前年対比でしっかり伸ばしている。
ASEAN
アセアンでもやや伸び悩みといった感じか。インドネシア、ミャンマーでの販売が増加とある。
パックスズキ
インドのお隣、パキスタンの工場では、開始から36年で累計200万台を生産したとのこと。
事業別の業績
尚、スズキは二輪車事業やマリン事業(船のエンジン)もあるが、営業利益で見れば四輪車のウェイトが圧倒的だ。従って四輪車以外の事業はここでは割愛したい。
業績の総括
収益面の総括では、4月〜12月(9ヶ月累計)の売上高で前年同期比4.2%増収だが、営業利益は△1.3%と7年ぶりの減益だったようだ。
減益理由は、新興国通貨安(インドルピーの下落)と、販売費用増加の影響と説明した。
通期予想(見通し)
生産販売台数の予想
こちらは生産・販売台数の通期予想である。右上の四輪販売台数を確認すると、前回予想から日本で上方修正、他の地域で下方修正、全体でやや下方修正している。
業績の予想
収益面の通期予想は据え置いた。内訳では日本国内で増額、海外売上で減額を見込むようだ。
日本国内では比較的堅調に推移しているが、海外の動向が心配される内容だった。残り3ヶ月では為替(特にインドルピー)と、中国市場の動向が左右しそうだ。
http://www.suzuki.co.jp/ir/library/financialaffairs/