ホンダ ヴェゼルの外観デザイン評価

ホンダ ヴェゼルの外観デザイン評価

今回はホンダヴェゼルについて外観・エクステリアデザインを評価していきたい。
VEZEL(ヴェゼル)は、小型車のフィットを派生させて製作されたホンダの5人乗りSUVである。コンパクトSUVとして他社に先駆けてリリースして以降、ロングセラーとなっている人気車種だ。
現行モデルは2013年のリリース、直近では2018年2月にマイナーチェンジして安全性能が向上している。

主要サイズ感

まずはヴェゼルの車体サイズを確認してこう。主要諸元表から確認すると下記の通りである。

・全長:4330 mm
・全幅:1770 mm
・全高:1605 mm
・最小回転半径:5.3M

小形SUVとして取り回しのしやすいサイズ感だ。街乗りや通勤用として最適と言えそうだ。ハイブリッドとガソリン車でわずかなサイズ差があるようだが、実用レベルでは大差はなさそうだ。

エクステリア評価

完成されたデザイン


全体的に完成されたデザインだ。フロントマスクもそつなく、飽きのこない顔をしている。さすがロングセラーの車である。ホンダの車は少し古いモデルでも古臭さが出てこないのが不思議だ。

クーペフォルム


SUVでありながらクーペのフォルムを採用している。ゴツゴツした雰囲気が緩和され、流線的で都会的な印象となっている。
これによりアウトドア志向のユーザだけではなく、都会派や街乗りを目的としたユーザー、女性ドライバーにとっても親しみやすいデザインとなっている。

特徴的なドアノブのデザ


後部座席のドアノブを窓枠のベゼル部分に隠したことで、2ドアクーペのような印象となっている。無駄のない洗練されたデザインだ。このデザインギミックは後に発売されたトヨタのC-HRでも真似されるようになっている。

ホイールもかっこいい


ホンダヴェゼルは大衆車の部類だ。それでありながら純正のアルミホイールは力強くスポーティーなデザインのものを採用している。大衆車にありがちなモッサリした印象はなく、この車を評価できるポイントだ。オシャレは足元からである。

無難すぎるか


デザイン面においては尖った部分がなく、嫌いになる要素は少ない。それがロングセラーとなっている1番の理由であろう。
しかし、あまりにも見慣れてきたデザインであるため「無難すぎる」感じも否めない。今や各社から様々なコンパクトSUVが発売している中で、ヴェゼルは「個性がない」と言えばそうかもしれない。

ターゲットは?

大学生や新社会人か

ターゲットとしては比較的若い世代のドライバーが連想される。20代から30代、まさにゆとり世代のど真ん中である。CMもサチモスの楽曲を採用するなど、今時のオサレ系の若者への訴求が伺える。

ファミリーカーとして物足りないだろう。ホンダではファミリーカーとして中小様々なミニバンが出ている。家族での移動手段としてはミニバンの方が適しているので、わざわざこの車を選ぶ理由はない。

どちらかと言うと1人〜2人、たまに友人達と4人で乗る程度の車と考えた方が良い。都会の独身のユーザー、あるいは地方の大学生や心社会人などがこの車のターゲットど真ん中なのであろう。これまでコンパクトカーに乗っていたユーザーたちである。

男女どちらもOK

男性的か女性的かと言えばどちらでもないような気がする。どちらが乗っていても違和感がなく乗りこなせる車であろう。公式サイトでは女性ユーザーのイメージも強調されている。

シニア世代では、このサイズの車を買うならもう少し趣味趣向に寄った車の方が似合うように思う。例えば、アウトドアが好きならスバルXV,スポーツカーが好きなら86/BRZ、近距離移動用なら軽自動車やコンパクトカー、またはC-HRである。

ライバル車と差別化は?

ライバル車としてはマツダのCX-3やトヨタのC-HRなどが連想される。ただし、マツダCX-3が都会的でエレガント路線、C-HRが無骨でやや年齢高めの路線で考えると、ヴェゼルは中道を行くようなポジションだ。

個性がないと言えば個性がないのだが、若い世代でかつ車にそれほど興味のないユーザーなら、無難にヴェゼルを選んでおけば、飽きることなく長く乗ることができるのではないだろうか。

総評

もはや定番となりすぎて個性が少ないが、飽きのこない完成されたデザインだ。ゆとり世代ど真ん中の車と言えるし、単身世帯または独身者にとっては必要十分なサイズ感だ。
車にこだわりがあるユーザーには少しないかもしれない。しかし逆を言えば、それほど車にこだわりを持たないユーザーは無難にこの車を選んでおけば失敗は無いだろう。
無難な選択肢としてこの車が選ばれている点が、ロングセラーの秘訣と言えそうだ。